活動趣旨
著:酒井 正人(主催者)

 フレンズクラブは、もともと1979年に近所の人の依頼で水泳指導を始めたのがきっかけとなってできたクラブです。当初は、水泳好き子供好きな私が受け身的にやっていたのですが、翌年、子供のほうからクラブ名を付けようという提案がなされ、私のほうも本腰を入れる気になったのです。

 その頃の私は、自分の生き方に思い悩み、会社を辞め小学校教師を目指していた時期で、自分の手で何か社会的な活動をやってみたいと思っていた頃でもありました。そういった気持ちの高揚がクラブの活動へのエネルギーとなっていったのです。

 さて、現在のフレンズクラブですが、位置付けとしては社会教育活動の一環であると考えています。当然、その目的は人づくりであり、常時活動としての水泳を通して、心身の健全な育成を目指しています。

 身体的には、水泳技術や体力の向上、日常的な運動の習慣化、精神的には、水泳に対する自信や生活面での積極的な姿勢など、いずれにしてもひとりひとりが違った個であるという視点に立って、子どもの可能性を伸ばしていこうという考え方なのです。したがって、水泳指導においては、泳力別に班編成はしてあるものの、年齢や性格、友達関係、指導者との関係などもある程度考慮した上で独自のカリキュラムを展開しています。

 クラブでは水泳指導以外に、後に述べるような各行事があり、それぞれに常時活動とは違った意義があります。とりわけメイン行事である夏のキャンプは、異年齢集団の特性を生かした班組織を基に、自分の年齢にふさわしい役割を自覚した上で、自主性や主体性を伸ばし、社会のルールや集団のきまりを身につけさせるのに絶好の機会となります。リーダーや仲間たちとの人間的なふれあいは、幼い心を外に向かって大きく開かせることでしょう。

 キャンプは、また、自然環境に恵まれない今の子どもたちの源体験を豊富なものにします。豊かな自然は子供たちの感性を磨き、好奇心を呼び起こします。実際に自然に触れることで、子どもちは尊い命を感じ、慈しみの心を持つことでしょう。

 以上でおわかりのように、全ての活動における指導の原点は個(子ども)にあるのです。子どもたちひとりひとりの成長を思い自分の考えをしっかりと持った人になってほしいと願っています。


「自分実践の旅 マイロード マイウェイ」 著者:酒井 正人 (文芸社)
★私、酒井正人の本「マイロード マイウェイ」が文芸社より出ています。フレンズクラブの活動と上海日本人学校時代 の中国での生活をエピソードを交えて書いていますので、ぜひお買い求めの上お読みください。